aokomoriuta's blog

青子守歌のブログ

シマリスのハーゲン先生追悼記事(とこれからの我が家のシマリス)

昨年、2020年6月15日、我が家で飼っていたシマリスのハーゲン先生がこの世を去りました。7歳でした。死因は肺癌だったようです。 私が東京に出てきた年に生まれの子でした。寿命からすると飼育下では平均的な歳だったと思いますが、まだまだ大丈夫そうだなぁと思ってたところだったのでとても驚きでした。

あれから1年が経過し、先日1周忌もやったので、このタイミングで追悼記事を掲載しようと思います(本当は命日に投稿しようと思ったんですが、最期書いてて辛くなったので今書きあげたところ)。

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ありし日のハーゲン先生

ハーゲン先生をお迎えするまで

そもそもシマリスを飼おうと思ったのは、簡単に言えば「昔実家で飼っていたから」です。 とはいえ、当時は小学生ぐらいで、あの頃ってまだ今ほど動物福祉とかしっかりしていなくて、今から思うと割と雑に飼育していました。

なんにせよシマリスはいいものだという記憶があり、ひとり暮らししたらいつか飼おうと思ってました。 ただ東京の前はなんだかんだで機会に恵まれず、東京に来た時に、地元も遠くなったし金銭的にも余裕ができそうだしということで決意しました。

読者の人にはシマリスの生態などに詳しい人のほうが少ないでしょうから少し解説すると、シマリスというのはそもそも繁殖期が年に1回しかありません。 概ね2月から4月と言われています。そこから妊娠期間が1ヶ月、生まれてから離乳まで1ヶ月ぐらいで、店頭に並ぶのが大体4月から6月頃という感じです(一部、離乳前に出しているお店もあるようですが、正直あまりオススメはしません)。 また、後でも書きますが、日本にはシマリスは生息しておらず、国内流通のほぼすべてのシマリスが、この時期に大陸(中国・韓国)からの輸入になっています。 そんなわけで普通は正確な誕生日が分かりません。 このあたりの事情とか詳しくは最後に。

ともかく、私が東京に来たのが6月だったので、タイミング的には割とギリギリでした。

どこがいいのか東京のことよく分からないなりに調べて、練馬にあるプレミアムペットクラブさんに行きました。 家から行ける範囲でシマリスの取り扱いがあるうさぎ・小動物専門店ということで決めた記憶があります。 最近はシマリスの取り扱いをやめてしまったようですが、店員さんが丁寧な方だったので、うさぎやその他の小動物を検討されている方はぜひオススメです。 今でもシマリス用ご飯は、プレミアムペットクラブさんのオリジナル・リスフードを使っています。バランス良いし食いつきが良いですね。

Twitterを見てみると、最初にプレミアムペットクラブさんに行ったのが6/29だったようです。

ただ、その時は見るだけにして、実際にお迎えしたのは別の日だった記憶があります。 が、この辺りの記録/記憶が曖昧で・・・。

Twitterへの初お披露目は7/26でした

ハーゲン先生との暮らし

ここからは適当に良さそうな写真を載せていく感じにします。基本的に、私のTwilog「ハーゲン先生」ないしは「シマリス」で検索すると全部出てきますが、一部抜粋しつつ。

これは来たばかりの頃。まだ1ヶ月ぐらいのはずですが、外で普通に寝たり夜中にも起きてきたりと、最初から割と動じないシマリスでした。

8月末にはもう人の肩でご飯食べたりしてたようですね

10月ごろにはもう普通に手でワシャワシャされても問題なかったらしいです

あとシマリスの特徴的な生態として、毎年秋から冬のどこかで、急に性格が変わって怒り爆発モードで無茶苦茶に噛みに来るようになります(いわゆる一般用語で言うタイガー期、うちではケージにガッと飛びついてきたので、ガッシマとか呼んでました)。 Twitterさかのぼってる感じ、この最初の年は2月ぐらいまで平気で、2/25に発情期のホロホロ声をあげていて、その後の4月ぐらいまでがタイガー期だったようですね。

1歳の冬(2014年)には年末の帰省時に連れて帰ったりできてました。

この年の春には妹も実家でシマリスを飼い始めていたので、実家で対面とかさせてたと思います(この写真は翌年の夏休みの時のもの)。

2歳、3歳ぐらいになると完全に安定してた感じですね

とはいえ、別に手で遊んだりじゃれたりするわけではなくて、「人間にされるがままでも怒られない」ぐらいでした。この辺りは個体差とか育て方とかの差ですね。 まぁ一般的に、シマリスは家畜化されてはいないので、人と遊ぶとかは難しいんですが。 ただ、よく手に乗っていると手をなめてくれてました。手を洗ったあととかでもなめてたので、汗を舐めてるとか言うより、毛づくろいしれくれてる感じでした。それが愛情表現によるものなのか、単に自分の体と人の手の区別がついてなかっただけなのかは分かりませんが・・・w。

そして、さっき出しましたが、シマリスの鳴き声はホロホロとかキュルキュルとか表現されます。

このツイートはちょっと違って、個体によって性別関係なく自分からも鳴くのと、誰かの鳴き声に反応しかしないのといるようです。

後者についてちょっとおもしろ情報があって、偶然ケイタイの音量を大きくしてTwitterの公式クライアントをスクロールしたら、そのスクロール時の「キュポ」って音に、鳴き声で反応したんですよね。

シマリス飼いのみなさん、ぜひ自分の家の子で試してみてください!

2歳以降は、タイガー期は12月ぐらいから4月ぐらいまでで安定してたようです。途中で人間が引っ越したりケージが大きくなったりしたのが4歳の時ですね。

5歳(2018年)の冬には、下痢をして動物病院に連れてったりしました(結局、下痢は一過性で数日後とかにはケロッとしてたので謎)

この時お世話になったのは、中延のつばめ動物病院さんでした。見せには行ったんですが「下痢うんこも乾いちゃってたし分かんないねーとりあえず整腸剤的なの出しとくよ」という感じでした。 犬猫や家畜はともかく、小動物、ましてやシマリスみたいなあまり一般的ではない動物は、病気とかで体調を崩すと、お医者さんにもほとんどできることがないんですよね。 体も小さいし症例も少ないし・・・。飼い主も、部屋暖かくして湿度を上げて柔らかいご飯にしてあげるとか、一般的な看病しかできないので、体調を崩さないように日頃から気をつけて予防するしかないという感じです。

とはいえ、確率的な問題でもあるので運などに左右されてどうしようもないことあるんですけど・・・。つばめ動物病院さんには先生の最期の時にも見せに行きました(あとで書きます)。

まぁともかくその後はありがたいことに大きな体調変化もなく、6歳(2019年)は元気に過ごしてました。

ちょっと話が脱線しますが、2019年にドイツ(ベルリン)で学会発表する機会があり、その時に、ハーゲン先生の名前の元ネタの方の墓参りもしてきました(外国の墓参りの風習が分からなかったので、お墓を拭いてきただけですが)

ただ、今にして思うと、この頃からちょっと動きがゆっくりになって大人しくなってたんですよね。 タイガー期がある関係で、性格がよく変わるのであんまり気にしてなかった(できなかった)ので、本当に「今にして」としか言えないんですが。

冬には、今まで巣箱とかはきれいに使ってたのにベチャベチャに汚すようになったりして、タイガー期なのにケージ内を大掃除&大改造されたりしたこともありました

春になって7歳になると、外で寝たり動きが明らかに遅くなってました

  • こちらは5/25の様子です。外の台の上でこんな感じで寝ていました(そしてこれが私手元にあるハーゲン先生の最後の記録になりました)

こんな感じで「なんだか少しおとなしいな?」という状況だったのですが、まだ普通にご飯も食べて水も飲んで回し車なども回して普通に運動も外で飛び回って遊んだりもしてました。

そして最後の6月がやってきます・・・。

さよならハーゲン先生

注意:ここの話は悲しい話になります。また、衝撃的な動画とかもあります。耐性がない方は飛ばすほうがいいと思います。いまシマリスを飼っている方々、これから飼おうと思っている方、そしてなにより将来の自分のために余すことなくお伝えします。

6月8日、この日は妹の誕生日だったんですが、祖母が急に亡くなりました。 葬式の手伝いや、祖母が亡くなったことで祖父母宅が空くのでどうにかする必要がありその対応で2週間ぐらい帰省を予定してました。

そのため、ハーゲン先生のお世話は、当時から同棲していた現嫁におまかせして行きました(これまでも私一人で大学に行くときなどで帰省するタイミングでおまかせしてたことあります)。 先に書いた通り、多少おとなしい感じはあったのですが、この時はまだまだ普通に元気で、いつもどおりでした。

しかし、葬式とかも終わってひと心地ついたあたりで、嫁から連絡があります。「ハーゲン先生の元気が明らかにないし、なんか変」と。 最近おとなしい感じなのはずっとだったのと、前はそれでも数日したら普通になってたので「様子見してて」と言ってしばらくまだ帰省したままでした。

ただ毎日様子を聞いたりしてました。しかし数日たって6/14になっても、全然良くならないし悪くなってる感じがしてきました。そんなわけで、親らにゴメンと伝えて予定より1週間早く6/15の15時には東京に戻ってきました。 その日は平日だったので嫁は家にいませんでしたが確かに元気ないな、、と。

帰ってきた様子を、嫁に無理言ってLINEつなぎながら様子を伝えたりして、とりあえず動物病院に連れて行くということにしました。 動物病院行ったことある人は分かると思うのですが、普通は予約でいっぱいで2週間先とかしかとれません。しかし事情を伝えて、無理言ってなんとか夕方18時からに診察をお願いします。

が、状態を見たときから正直「もうこれは長くないかもしれない」と思いました。なので予約はしましたが、嫁にも急遽帰ってきてもらうように頼んで、あとはひたすら待ってました。

※※※以下は、病院の先生に見せるように体の様子とかを撮っていた記録です。本当に最後まで撮ってあるので、時系列で並べておきますが苦手な方は再生はしないほうが良いと思います※※※

  • 最初はこんな感じでグデっとしてましたがまだ動けてました
  • この後ケージに返したらもう殆ど動きたくなさそうででした
  • しばらくして、「病院の時間前に移動させると負担になるかも」と思い、いつもの移動プラケースに移動させました(これが結果的に良くなかったかもと後悔しています)。プラケースに入れたところ、最初はおとなしかったんですが急に「外に出たい!!」って暴れだしたので慌てて戻しました。この動画は戻した後の様子です。暴れた時にかなり体力を使ってしまったのだと思います・・・。
  • これが本当に最後で、かなり息苦しそうにしていました。この後、急に起き上がったので、このあとの映像は乱れててないです。

そして、急に起き上がったあと、ケージの中を全速力で走り回って、いつも座ったりしていた台(5/25の動画で寝ているところ)まで駆け上がりました。

そこで完全にもう動けなくなってベタッと倒れてしまいました。 慌てて手で拾い上げたのですが、そこから手の上で10回ぐらい深呼吸をしてから、息が止まって動かなくなりました。今でもその様子と感触は頭に残っています。

帰宅から40分ぐらいの出来事だったと思いますが、とても長かったです。

死後と剖検

残念ながら嫁は最期に間に合いませんでした。が、繊細な人なので、逆に最期に立ち会ってたらトラウマになってたかもしれないので、それはそれで良かったかもしれません。

ともかく、もう動かなくなったハーゲン先生を、病院につれていく用に用意していたプラケースに戻して、嫁に電話して「慌てなくていいから」と伝えたことを覚えています。

それで嫁が帰ってきてから、自分でお経をあげて、病院の先生に間に合わなかったことを連絡しました。 その前に、帰宅して様子が「もうだめそうだ」という状態をみて覚悟ができた時、ひとつ決めたことがありました。

それは死因をはっきりさせるため、 剖検、いわゆる死後解剖を病院の先生にお願いしよう ということでした。

正直これを批判する声も聞きました。「サイコパスか!?」みたいなのとか。 しかし、先にも書いた通り、小動物、特にシマリスは症例も飼育例すら少なく、まだまだ情報が足りない動物です。

目の前でなくした子を復活させることはできませんし、自分の悲しむ気持ちはなにをしたって変わりません。 であれば、今後の誰か、それこそ自分がまた飼う時があれば少しでも役に立てていくべきだという考えで、剖検を依頼しました。

そのつもりで病院の先生にお願いしたところ、引き受けてくださり、予定で予約していた時間に来院するようにという話になりました。剖検費用は3万円ぐらいでした。

病院の時間になって連れていきましたが、みなさんが生きている(病気で頑張っている)ペットを連れて待っているところで、待ってるのはちょっとつらかったです。 そして診察の順番が回ってきました。 ただ、昨年の今頃ってみなさん覚えていると思いますが(今もそうですが)対人接触を極力避けなければいけない時期でした。 そのため、待合室で遺体を病院の先生に引き渡して少し見ていただき、死の直前の様子を先の動画などを交えてお伝えする形になりました。

先生も見た目からでは特に異常がないのでやはり剖検が必要そうだとのことでした。 その時に「どこまで解剖して大丈夫ですか?(例えば、頭や顔などは剖検のあとに引き取る場合にはあまり傷つけないのを望まれる方もいます)」と聞かれました。 ただ、先に書いた通りもう私の中では覚悟が決まっていたので「もう遠慮なく必要な範囲で徹底的に調べてください。遺体についても、良い形で返していただかなくても良くて、献体と考えていただいてかまいません。それよりもなによりも、死因をはっきりさせて、また今後こちらの病院や他の動物医のみなさま、そして将来のシマリスみんなのお役に立つようにしてあげてください。」とお伝えしました。

そんな感じで剖検を依頼し、結果は2週間で出てきました。結果は、最初に書いた通り肺癌でした。 解剖して臓器がどうなっていたかというのも、開腹した写真でしっかり見せていただきました。開腹した写真を手元にもらう勇気まではさすがになかったので、取り出した肺の様子だけいただきました。

写真には、白い輪っか(ちょうど口内炎のような)ものが無数に肺にあるのが確認できました。 病院の先生も、ひと目見てこれが腫瘍であって、直接の死因だろうと分かったそうです。 普通、肺は空気を取り込むために中はスカスカで水に浮くはずらしいんですが、これは沈むぐらいだったとも言ってました。 実際にその肺と、あとお腹を開いた時に少し変色していたところもあったのでそこも合わせて、病理検査にもかけてもらって、報告書の原本もいただきました(病院にはコピーを保管してもらってます)。 検査自体はアマネセルさんという、ペット動物専門の病理検査機関に依頼してもらえたようです。こういう専門の機関もあるんですね。

今後の誰かのなにかの参考にと、報告書の内容のテキストと画像を貼っておきます。

  • 表紙
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  • 病理組織検査報告書
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    • 肺:腺癌(Adenocarcinoma)、腸および肝:See description(記載参照)。
    • 概要:肺には腺上皮への分化傾向を示す悪性腫瘍性病変(腺癌)が認められました。また、腸には絵師と軽度な炎症が認められ、肝の構造は保たれわずかに炎症細胞の浸潤がみられますが、腸および肝には腫瘍性病変は認められません。詳細は別紙をご覧ください。
  • 別紙
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    • 肺:腺癌。腺上皮への分化傾向を示す悪性腫瘍性病変(腺癌)が認められました。気管支粘膜上皮などに由来する肺原発の腺癌(腺癌)と考えられます。はい組織のほぼ全体に広がるがん増殖層が形成されています(標本1-3)。構成する細胞は、核小体明瞭・軽度大小不動な卵円形異型核と豊富な好酸性細胞質を有する腺上皮様のがん細胞で、一部で重層化を伴う不規則な腺腔配列や充実包装状配列で密に増殖し、核分裂像が散見されています。なお、一部の癌細胞はアシアンブルー/PAS染色に要請の染色性を示しています。
    • 腸:See descrition(記載参照)。壊死を伴った腸管組織が得られ、軽度な炎症が認められています。こちらには腫瘍性病変は認められません得られた腸管組織の残存する領域の層構造はよく保たれており、絨毛構造も確認でき、主張性が疑われる不規則な配列ま認められません(標本7-9)。また年舞う固有層から粘膜下織および一部では筋層に及んで、絵師が広がる部分も広くみられ、肉眼的に変色して見られた領域と推察されますが、死後変化によるものと考えられます。また、残存する粘膜固有層の一部にはリンパ球や形質細胞などの炎症細胞の浸潤が軽度に認められます。腸管内の一部には少量の血液の貯留もみとめられますが、病的な出血部は明らかではなく、観察できるいずれの細胞にも異型性はありません。
    • 肝:See descrition(記載参照)。構造の保たれた肝組織が得られています。僅かに炎症細胞浸潤がみられますが、炎症の程度はごく軽度で、腫瘍性病変は認められません。小葉構造がよく保たれた肝組織が得られています(標本4-6)。肝小葉内では均一な円形核を有する幹細胞が整った幹細胞索を形成しています。グリソン鞘周囲にリンパ球などの炎症細胞浸潤が僅かにみられますが、炎症の程度はごく軽度で、目立った線維化も認められません。また、堪能も隣接して得られていますが、構造に著変は見られず、構成するいずれの細胞にも異型性はありません。
  • 標本1-3
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  • 標本7-9
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  • 標本4-6
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この報告書にもある通り、明確な肺の悪性癌で間違いないようです。また、お腹の変色は死後の変化であって無関係とのことです。 他の臓器なども、先生が見た限りでは病変はなく、肺だけがこんなことになっていたようです。

病院の先生いわく、この状態だとすると最後はもうほとんど息をするのも大変だったはず、とのことでした。 ただ、他の臓器は正常であることと、直前まで本当に普通にしてたのを考えると、長期苦しんだりしたことはなさそうで、最後は暴れた時に呼吸が苦しくなってそのまま・・・ということではないかということでした。

予防や治療はできたのか?とも聞いてみましたが、「まぁ無理だろう」とのことでした。人間でさえ肺癌を予防も治すのは難しいのに、ましてや症例も体力もないシマリスでは、もし事前にレントゲンなどで見つけられても、今の医学ではなにもできることはなかったし、肺炎と見間違えてたかもしれないと。 肺癌になった明確な原因も特定は難しく、そもそも癌は日常的に作られるものがたまたま抑えられなかった時に問題になるものだから、まぁ運と確率の問題で仕方なかっただろうとも言ってもらいました。

ハーゲン先生後の我が家とシマリス

そんなわけで、肺癌でハーゲン先生を亡くした我が家には、シマリスが不在になりました。 幸いなことにというべきか、前の冬に、嫁がウサギを飼い始めたのもあって、激しいペットロスみたいにはなりませんでした。

しかし、空いたケージを見るのはかなり心に厳しいものがあったので、3日後ぐらいには片付けて、6月末にはケージも処分しました。

すぐに新しくシマリスを飼えば?という選択肢もあったのですが、結局そうはしませんでした。 亡くした直後に新しい子をすぐに、という気持ちにはちょっとなれなかったのと、なにより昨年は春になってもシマリスがまったく店頭に並びませんでした。 これは、先に述べた通り、国内で販売されるシマリスのほぼ全てが中国大陸からの輸入品だからで、昨年はCOVID19流行によって、動物の移動が完全に禁止されてしまったことによるものです。 仔シマリスが入ってこなかったことで、昨年は、私を含めて多くのシマリス愛好家の方にとって大変な一年になりました。

そんなわけで、その後のシマリスを愛でたい気持ちは、ちょうどその前の冬にオープンした亀戸のシマリスカフェ アースのおみせさんに通ってしのいでました。 シマリスカフェにいる、シマリスのみんなとのふれあいと、ご主人との話をする時間がなかったら、もっと気持ちは落ち込んでたと思います。

今のシマリスと私、そして未来の話

そして1年後の今日このごろ。Twitterには先行してアップロードしましたが、先週の日曜日に新しい仔をお迎えしました。

今年も、仔シマリスの輸入は止まるだろうとの予想があり、割と早い段階から、国内で繁殖させておられる家で里親募集しているところを探していました。 この仔は、その中で縁あって譲っていただきました。

これを書いている時にはうちに来て5日目なのですが、だいぶ慣れてくれました。やはり育て方が最初から手厚いと、全然違いますね。

そんなわけで、いま私は、また1匹のシマリスと一緒に暮らしています。

また、実は今週末にも別の仔をお迎えする予定です。こちらも自家繁殖されているペットショップから譲ってもらうのですが、なんとホワイトシマリスです。最初にプレミアムペットクラブでも見かけていて可愛いなーと思ってたのですが、あれから8年後、実際にホワイトシマリスも我が家に来ることになりました。

2匹飼うということはオスメス?と思われるかもしれませんが、両方ともメスです。というのも、なんとなくの傾向として、シマリス(に限らないかもですが)は、メスのほうが活発で丈夫というのがあるからです。 またすぐに亡くすというのは流石に避けたい・・・という意図もあります。

ただそれはそれとして、少し考えていることがあります。それは、オスの仔もお迎えして(3匹目)、自分のところでもシマリスを繁殖させようということです。これには、3点の理由があります。

  • 1点目は、また何かしらの中国からの輸入個体が入ってこなくなった場合、日本国内でまた流通が止まってしまいます。そのように外部事情によって流通がなくなったりするのは、シマリスの可愛さを布教したい側の人(私を含む)にはあまり良い状況ではありません。安定まではいかずとも、一定以上のまともな流通は必要だと思います。
  • 2点目は、中国からの輸入個体がどうやって生まれているのかが全然分からないことです。先に述べたように、シマリスは年1回しか繁殖期がありません。一度に平均7匹程度生みますが、1匹あたりの相場は大体日本円の末端価格で1万円前後です。商業的にシマリスを飼ってシマリスブリーダーだけで生計を立てるのはほぼ不可能なのです。となると、野生個体に手を出しているのだろうという推測が生まれます。どうやっているのかは分かりませんが、いずれにせよあまり健全ではなさそうです。これは国内繁殖個体が少しでも出回るようになれば、少しずつでも健全化できると思うのです。
  • 3点目は、これは新しく迎えた仔を見ながら思ったことですが、国内繁殖個体であれば、誕生日も正確に分かり、なにより人がしっかり関わって育てることで、よりペット向きの仔を育てられるという良い点があると思います。

注意点として、私自身は動物愛護や家畜・ペットの権利がどうこうという過激な思想はありませんし、そのような思想になる予定もないです。 ただ、人の身勝手に利用する動物なのであれば、野生とは切り離して愛玩用なら愛玩用として最初から最後まで責任を持って面倒を見るべきという最低限の信念ぐらいはあります。 シマリスを自分の都合のために利用している自覚があるからこそ、愛玩用としてのシマリスに自分ができることで貢献したいと思っていました。そして、ハーゲン先生を亡くして剖検してもらい、その後シマリスカフェのご主人とも交流させていただく中で、その気持ちがより強固になってきた、というのが最近の私のシマリスに対する気持ちです。

そんなわけで、まずはシマリスについてより深く知るため、将来的にシマリス市場を(私の思う)良い方向にしていくために、繁殖を経験しておきたいという気持ちが割とあります。 もちろん無計画な繁殖をするつもりはありませんし、本当に今の生活をしながら繁殖させても大丈夫かは不安があります。 しかし、繁殖をさせようと思った時にできる環境にはしておきたいと思っています。

なので今、可能性4割ぐらいの気持ちで、オスの仔を探し始めている自分もいます。3匹同時のお迎えになると大変になるのは確かですが、ちょうど色々大変だったものも片付いて手が空き始めるようになるので、なんとかなるだろうと。 本格的にブリーダーを本業にするとかそこまでは考えていませんが、関連or必要そうな資格などは持ってて損はないので、少しずつ目をつけて、できるところから始めようかなとは思います。

まとめ

というわけで、ハーゲン先生の思い出話と、未来の話を含めて、ざっと日記というか随筆的なものを書きました。 こうやって文章にすることで自分の気持ちを整理させるというだけのものですが、最後までお読みいただいた方がいたのだとすると、ありがとうございます。

これで気持ちに区切りをつけて、来月の今頃には少なくとも2匹、もしかすると3匹を我が家にお迎えして、ひょっとすると来年はそこからつがいで繁殖させたりもするかもしれません。

彼らの様子もまたTwitterでも定期的に流していこうと思います。もし良ければチェックしてみてください。